真珠の選び方
人間と同様、真珠を生み出す貝には、1つ1つに個性があります。
かけ合わせる貝の配合も、一年ごとに改良されており、全く同じ配合を行うことが出来ません。それゆえに、出来上がった真珠の1つ、1つに異なる特徴があります。
真珠の価値を決める要素は6つあります。大きさ(サイズ)、色(カラー)、光沢(テリ)、巻き、形、キズです。
評価をする上で、基本的には、丸くてキズが少なく、光沢(テリ)のある真珠が、最も希少性が高く、高価なものとなります。
サイズ
基本的に同じ品質の真珠であれば、サイズが大きくなるにつれ価値が上がり、価格も高くなっていきます。サイズは、珠の直径をmm(ミリ)で表示しています。表記は、ネックレスの場合、センターの珠(一番大きい珠)の最小値とスソの珠(一番小さい珠)の最小値を計ります。バロックネックレスはどちらも最大値を計ります。この他、ネックレスの長さを表す単位は、インチ(inch)表示となっています。リング、ペンダント、イヤリング・ピアスなどの1ヶ珠の製品の場合は、その珠の最小値を計ります。
カラー
貝から生み出される真珠の色は、貝の種類によって異なります。また、同じ品種の貝から生み出される真珠でも、実は微妙に異なる色の真珠が生まれます。色は母貝よりも核入れと同タイミングで挿入される外套膜(ピース)により影響されると言われています。このピースが元となり、核に付着し、真珠層を形成します。この真珠層はナノミクロ単位で形成されるのですが、どの色素が強いかは実はピースの厚さで変わってきます。例えば、ピースが厚い方からレッド系→グリーン系→ブルー系→パープル系の順に薄くなっていきます。
テリ
光沢は「テリ」とも呼ばれ、真珠の輝きをあらわしています。真珠は自然界に存在する唯一の3次元で色テリ感を持つものと言われています。主成分である炭酸カルシウムがナノミクロ単位で均一に積み重ねられ、真珠層を形成し、表面が滑らかな真珠は光沢が出ます。光沢は下記の「巻き」とも関係し、巻きの厚い真珠の方が、より光沢が出やすくなるという傾向があります。ただ、マキが厚い=テリが良いと断定することもできません。光沢(テリ)は、表面のきらきらしたものではなく、奥の方から深みのある輝きを放つものが良質とされています。
マキ
真珠層の巻き厚のことですが、肉眼で巻きの厚さを識別するには長い経験が必要です。一般の方が店頭で巻きの厚さを識別するのは困難と言えます。しかし、このマキ厚が真珠の価値を計るのに最も重要な要素です。科学的にマキを解明すると100ミクロンで0.1mmのマキ厚になります。一般的にマキの厚さを識別し、その厚いものを選ぶ方法は、巻きが厚い方が深い光沢を生みますので、きらきらした表面上の上テリではなく、奥の方から深みのある吸い込まれるような輝きを放っている真珠を選ぶことです。
形
形は丸く真円に近いものほど良質とされていますが、丸い真珠以外にもオーバル形、しずく形のドロップ、三角形のトライアングル、ボタンのような形をしたボタン形など様々な形状のものがあります。また、形の崩れた不定形のものはバロック真珠と呼ばれ、その独特な形状からまさに世界に1粒しかない真珠と言えるでしょう。また、ケシパールと呼ばれる真珠もあります。養殖される段階で異物が混入し、その異物が核となり、たまたま真珠層が出来上がるとケシパールになります。養殖の過程で作られた真珠ですので、天然真珠とは異なります。
キズ
真珠は海で採れるものであるため、当然キズはつきものです。養殖された真珠であっても、貝が自然に育む宝石ゆえに、真珠の表面は完璧に滑らかではありません。最も一般的なのは、養殖中にできた自然な小さなへこみです。これは後からつけられた人為的な傷とは異なり、エクボと呼ばれます。キズの少ない真珠は希少性が高くなり、価格も高価になります。一般的には、マキ厚が薄いほどキズは深くありません。また、テリが薄いほどキズは深くありません。反対に、マキ厚が厚く、テリが深いものになると、キズが大きくなる傾向にあります。